カエルや小型のトカゲ(ニホントカゲ・カナヘビ等)を飼育するうえで課題になるのがエサ問題。
カエルやトカゲは生きエサが基本になるため、購入なり野生下で捕まえてくる必要があります。
野生下で生きエサを調達するうえで、おすすめなのがバッタ。
- 調達しやすい
- 生体に攻撃・反撃しない
- 保管も手間がかからない
- 多くの生体に好まれている
バッタはエサとしての有効度は高いです。
- 生きエサにお金をかけたくない
- 生体に多くの種類の生きエサを食べさせたい
- 生きエサを捕まえることも飼育の一環と考えている
- コオロギは苦手
このような方はぜひ参考にしてください。
カエル・トカゲのエサにバッタがおすすめな4つの理由
- 調達しやすい
- 生体に攻撃・反撃しない
- 保管も手間がかからない
- 多くの生体に好まれている
順番に解説します。
1バッタは調達しやすい
バッタは春に幼虫が孵化して夏に成虫となりますが、カブトムシやセミと違い、生まれたときから成虫と同じ姿である不完全変態の昆虫であるため、5月〜10月と長い期間バッタを見かけることができます。
跳ねたり飛んだり(成虫のみ)しますが、捕まえるのは簡単な分類に入り、素手でも捕まえられるので、子どもたちでもたくさん捕まえることが可能です。
そのため、子どもたちと草むらでの虫取りを満喫しつつ、カエルやトカゲのエサも調達できるので一石二鳥と言えます。
生き餌を野生下で調達する場合、捕まえられる期間が長いことと捕まえやすいことは大きなプラス材料となります。
幼体のバッタは素手で捕まえると、握り潰してしまうリスクがあるため、金魚用の網を使ったほうが良いよ。
2バッタは攻撃・反撃しない
生きエサで気をつけなければいけないのが、生きエサが成体に攻撃することです。
例えばホームセンターで販売されているフタホシコオロギは攻撃性が高く、ケース内に放置しておくと生体を攻撃する可能性があります。
コオロギは雑食性の昆虫であるため、動物性たんぱく質が不足すれば、同族や他の生体もエサの対象となります。
攻撃性が高い種類だと、自分より大きいものにも立ち向かいますし、コオロギは顎の力が発達しているので、生体に噛みついて傷つけることは可能です。
バッタは草食性であるため、食べ物が不足したからといって生体に攻撃は仕掛けません。
また体が横に長く、カエルやトカゲに体を噛まれた時点で瀕死に陥るため、反撃の懸念も極めて少ないです。
カエルやトカゲも本能的にバッタは安全とわかるのか、自分より体長が長いバッタにも食らいつきます。
3バッタは保管も簡単
生きエサで必ず考えないといけないのがストック(保管飼育)です。
例えばコオロギの場合、野菜ばかり与えていると動物性たんぱく質が不足し共食いの原因になりますし、高湿高温が原因で大量死に陥ることもあります。
またコオロギは脱皮もふん尿もよくするため飼育ケースは1週間でかなり汚れます。
バッタの場合は、捕まえた場所での草がエサとなり住居になりますし、水やりも草に霧吹きと手間がかかりません。
バッタはコオロギと比較して生命力が高いので、毎日チェックする必要はなく、ストック労力は最小で済みます。
余談ですが、生きエサのストック労力と言う点では、ミルワームが最も手間がかかりません。
4バッタは多くの生体に好まれている
生きエサで大事なのは、成体に関心を持ってもらえることです。
例えばダンゴムシやミルワームの成虫はアマガエルやカナヘビからは人気がなく、いつも残されています。
バッタはどうでしょう。
我が家では小柄なアマガエルから大型のトノサマガエルまで関心が高く、飼育ケースに入れるとすぐにロックオンしてくれます。
また、カエル類だけでなく爬虫類からも人気が高く、ヤモリとカナヘビが取り合いすることもしばしば。
バッタの動きはコオロギ同様に彼らの関心のツボを刺激してくれるのでしょう。
バッタを生きエサとして与える場合の注意点3つ
- 捕食部分が少ない
- 機動力が高い
- 溺死しやすい
順番に解説します。
1バッタは捕食部分が少ない
バッタは見た目どおり長細く、コオロギと違い身の部分が少ないため、バッタを主力のエサとする場合、数を集める必要があります。
また水分量も少ないため、生きエサを通じて水分補給させる場合は、フタホシコオロギのような水分が多い生きエサに軍配が上がります。
なお、バッタの羽や足は消化できないキチン質で構成されており栄養にはなりません。
2バッタは機動力が高い
バッタは機動力が非常に高く、飼育ケースに入れても一跳ねで天蓋に移動できます。
また足も発達しており、垂直な壁も器用によじ登ることができます。
生体が捕食できない位置に移動されるとエサとしての意味がなくなります。
対策としては残酷ですが、後ろ足を破壊する(潰す)こと。
後ろ足を破壊すれば大ジャンプを防ぐことができ、また歩行時のバランスも崩れるので、生体が容易に捕食できるようになります。
子どもがいる手前、堂々と後ろ足をちぎるのは道徳的に問題があると感じ、バッタを捕まえたときにこっそり両後ろ足を握り潰して、虫かごケースに入れています。
3バッタは溺死しやすい
バッタをエサとして放置してよく見かけるのが生体の水飲み場での溺死。
バッタは泳ぎが上手とは言えず、水場でつかまるもの(木の枝や葉)がないとすぐに溺死します。(水中に入るとパニックになりやすい)
つかまるものがあっても溺死することも珍しくないため、飼育ケースの床面積の1/3以上が水場のようなレイアウトの場合は、バッタの一定の溺死は想定しておく必要があります。
水場が多いレイアウトにコオロギとバッタを入れた場合、バッタのほうが溺死率は高かったです。コオロギと違いバッタは水場に入ったとき、必死に足掻こうとしません。
イナゴやトノサマバッタは生体によりけり
本記事では『バッタ=ショウリョウバッタ系』で解説しましたが、イナゴやトノサマバッタも同じバッタです。
両者の一番の違いは顔の骨格です。
イナゴやトノサマバッタはコオロギのように顔周りが骨格で覆われています。
骨格部分が多い=堅いというイメージがあるのか、ショウリョウバッタは捕食するけど同サイズのイナゴには関心を持たないカエルもいます。
他にも瞬発力の違いがあります。
イナゴを飼育ケースに入れるとわかりますが、目にも映らぬ速さで地上から天蓋に移動します。
瞬間移動ができる秘密は後ろ足です。
イナゴもトノサマバッタもショウリョウバッタと比較して後ろ足が強靭です。
この強靭な後ろ足から繰り出される瞬発力で瞬間移動を行うわけです。
当然ながら、この瞬発力は捕食時には抵抗するために使われることもあります。
したがって、捕食する側に力がないとイナゴを捕まえても押えきれないことから、エサとして避けられるわけです。
我が家ではアマガエル・カナヘビ・ヤモリはイナゴに関心を持ってくれませんでした。力強く貪欲なヌマガエルや大型トノサマガエルはイナゴを無理やり押さえ込んで捕食していました。
キリギリスは絶対にエサとして与えないこと
バッタと同じ草むらに生息する肉食性の虫として代表的なのはカマキリですが、実はキリギリスも危険な肉食性の昆虫です。
キリギリスはバッタと似た容姿ですが、顎の力が非常に高く、噛まれれば人間の指でも出血するレベルです。
そんなキリギリスを飼育ケースに入れれば、バッタはもちろん生体もエサとしてみなされます。
大型の成体であれば食べられることはないですが。噛まれて傷を負えば病気の原因になります。
また、カエルは丸呑みするため胃袋の中で噛まれてしまうリスクもあることから、成体キリギリスを間違って捕まえてエサとして与えないように気をつけましょう。
ショウリョウバッタとキリギリスは容姿がかなり異なるので間違えにくいですが、トノサマバッタ系とキリギリスは似ている部分が多いので注意が必要です。
触覚が体長なみに長いのがキリギリスです。
まとめ:カエル・トカゲにバッタはおすすめ
本記事ではバッタ(ショウリョウバッタ系)がカエルやトカゲにおすすめな理由についてお伝えしました。
- 調達しやすい
- 生体に攻撃・反撃しない
- 保管も手間がかからない
- 多くの生体に好まれている
- 捕食部分が少ない
- 機動力が高い
- 溺死しやすい
バッタは野生下で調達する生きエサのなかではコオロギと同じく評価が高いです。
見た目もコオロギほど気持ち悪さもなく、捕まえるのも簡単なので、生きエサは野生下で調達したいと検討中のかたはバッタも視野に入れましょう。(キリギリスは入れないで!)
当サイトでは自身の失敗を含む飼育体験談を元に、これからカエルを飼育する方に役立つ情報を発信していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。