カエルや小型爬虫類のエサでコオロギと並んで定番なのがワーム系(幼虫)です。
ミルワームやハニーワームは、ペットショップやホームセンターでよく見かける代表的なワーム系となります。
注意したいのが、ミルワームもハニーワームも姿は似ていますが、異なる点は多いことです。
結論から言うと、普段のエサとしてはミルワームがおすすめですが、衰弱した状況下ではハニーワームがおすすめです。
本記事ではミルワームとハニーワームの7つの違いと、ミルワームおよびハニーワームがおすすめな状況についてお伝えします。
実際に両者をカエルや小型爬虫類のエサとして利用している実体験談なので、同じくワーム系をエサとして活用している方は参考にしてください。
ミルワームとハニーワームの7つの違い
- ハニーワームの方が機動力が高い
- 価格はミルワームの方が安い
- ミルワームの方が入手しやすい
- 栄養バランスはミルワームの方がよい
- 摂取カロリーはハニーワームのほうが高い
- 飼育管理はミルワームの方が楽
- 外皮はハニーワームのほうが柔らかい
ハニーワームの方が機動力が高い
ミルワームもハニーワームもエサケースに入れると、クネクネと動いてくれるため、動きに反応するカエルに好評です。
しかし、機動力には違いがあり、ハニーワームはヤモリやアマガエルのように引っ付くことが可能なため、木の枝や垂直な壁も移動できます。
実際にエサケースへミルワームとハニーワームを入れても、ハニーワームはすぐに出て行ってしまいます。
機動力の高さゆえに、天井付近の壁などカエルやトカゲの食べられない位置に行ってしまうこともあります。(アマガエルやヤモリのように全方向に移動できる生体であれば問題なし)
エサを放置するスタイルに場合は、エサケース内に留まっているミルワームのほうが計数管理が行いやすいです。
ハニーワームは購入時の丸ケースの蓋にもよく引っ付いていますね
価格はミルワームの方が安い
価格面ではハニーワームよりミルワームのほうが断然安いです。
ネット通販を見ていても、5カップ1,780円で販売されるなど、サイフに優しいです。
安さの理由として、ミルワームは管理も繁殖も難易度が低いことが挙げられます。
ハニーワームは餌となる床材が特殊なこともあり、価格はミルワームの3倍以上となっています。
飼育するうえで餌代(とくに生きエサ)はバカにならないので、安さは魅力の1つと言えるよ。
ミルワームの方が入手しやすい
ミルワームはカエルや小型爬虫類だけでなく、ハムスターなどの小型哺乳類や鳥類のエサとしても活用されることが多いことから供給量も多いです。
また、前述した通り飼育・繁殖も難易度が低いことから、ミルワームの流通量は多いです。
Amazonや楽天などネット通販を見ていても、ミルワームは取扱い業者も多く、各業者もストックが豊富なのか売切れはあまり見かけません。
ハニーワームは取扱い業者も少なく、ペットショップやネット通販でも売切れていることがあります。
エサを入手できないことは生体にとっては死活問題なので、入手しやすは大事です。
ミルワームが置いてあるホームセンターは意外と多いですね。ただし飼育管理が楽なのか大量購入する人がいて売切れのパターンはあるので、ネット通販も視野に入れていきましょう。
栄養バランスはミルワームの方がよい
とある獣医の豪州生活Ⅱより引用
栄養バランスについては上記表を見ると一目瞭然です。(橙色は高い数値・青色は低い数値)
ミルワームのカルシウムは上記表の生きエサのなか最低クラスですが、そのほかの数値は平均以上となっています。
ハニーワームは脂質とエネルギーは最高峰ですが、その他の項目は最低クラスが多いため、栄養バランスは上記表の生きエサのなかで最も偏りがあると言えます。
コオロギがエサとして人気なのは、ミルワーム以上に栄養バランスが整っているからだよ。
摂取カロリーはハニーワームのほうが高い
エサを与えるうえで最も分かりやすいがエネルギー(カロリー)です。
摂取カロリーが少ないと、生体はやせ細っていき、餓死に繋がります。
ハニーワームは先ほどの表から分かる通り、エネルギー(カロリー)と脂質は最高峰であるため、やせ細った生体を太らせたときに役立ちます。
またハニーワームはミルワームより小型であるため、少しずつ与えることも可能です。(脂質が高いため一気に与えると消化器官に負担がかかります)
消化器官の負担はデメリットとして挙げられますが、ハニーワームは小型なので、時間を空けて少しずつ与えていけば負担を軽減できます。
飼育管理はミルワームの方が楽
ミルワームは生命力が高いため、少々雑に扱っても死亡しません。
また100匹単位で販売されていることが多いため、少々死亡しても支障はありません。
また飼育の課題となる『生きエサの飼育保管(ストック)』もミルワームのほうが簡単で、カップ購入したミルワームの密を和らげるために小型のケースに入れ替え、エサとしてかつお節や煮干しを加えて完了です。(かつお節は床材代わりにもなります)
ミルワームの飼育が楽な理由については、下記記事で詳しく解説していますので、ミルワームをエサとして検討している方は参考にしてください。
ハニーワームは床材もエサも特殊であるため、用意するのに手間がかかります。
また、一定数は繭をつくって引きこもるため、繭から出す作業が地味にめんどくさいです。
ハニーワームは床材が特殊なのが一番ネックなので、購入したら床材が痛む前(10日前後)に使い切るようにしています。
外皮はハニーワームのほうが柔らかい
ミルワームを触るとわかりますが、ミルワームは厚い外皮に覆われています。
ミルワームは成長過程で脱皮を繰り返すことで、より強靭な外皮を身にまといます。
ハニーワームも表皮はミルワームと同じように見えますが、脱皮はせず触るとプニプニして柔らかいです。
外皮の硬さはミルワームを捕食する生体の消化器官に負担をかけますし、カエルのように丸呑みする生体の場合、消化できなかった外皮を腸に詰まらせてしまうリスクもあります。
ただし、ミルワームは定期的に脱皮をし脱皮直後は白く柔らか状態なので、外皮が気になるなら脱皮直後のミルワームがおすすめです。
コオロギもミルワームも脱皮直後は白い状態なのですが、カナヘビは白い状態が脱皮直後で柔らかいことを知っているのか、通常状態よりも食いつき度が高いです。
ミルワームは普段のエサとしておすすめ
ミルワームはハニーワームと比べて栄養バランスは良く、飼育保管も手間がかからないので普段のエサとて使い勝手が良いです。
欲しい時に入手しやすい点もポイントです。
コオロギやハニーワームと違い、縦の機動力は低いため、専用ケースを活用すれば置きエサとしても使えます。
注意点として、ミルワームはカルシウムが低いため、ミルワームにカルシウムの高いエサ(煮干しやかつお節)を与えつつ(ガットローディング)、生体に与える際はカルシウムパウダーを振りかける(ダスティング)ようにしましょう。
ハニーワームは元気づけたいときの嗜好品としておすすめ
ハニーワームは脂質とエネルギーに特化しており、人間の食事で例えるならロイヤルゼリーのような役割を果たすため、冬眠明け、産卵後、あまりエサを食べないときにおすすめです。
ハニーワームはミルワームより小さく、与える個数で調整できる点もポイントです。
ただし、栄養バランスは偏っており、値段も高く飼育保管もやや手間がかかるため、常食としては不向きです。
ハニーワームはミルワームより取り扱っている店舗も業者も少ないため、事前に入手方法を検討しておきましょう。
ミルワーム・ハニーワーム比較まとめ
本記事ではミルワームとハニーワームの7つの違いと、ミルワーム・ハニーワームがおすすめな人についてお伝えしました。
- ハニーワームの方が機動力が高い
- 価格はミルワームの方が安い
- ミルワームの方が入手しやすい
- 栄養バランスはミルワームの方がよい
- 摂取カロリーはハニーワームのほうが高い
- 飼育管理はミルワームの方が楽
- 外皮はハニーワームのほうが柔らかい
- 栄養バランスを重視
- 飼育管理はなるべく楽に済ませたい
- 置きエサとして使用
- 手軽に入手したい
- 成体を元気づけたい
- 冬眠前などエネルギーを意図的に蓄えさせたい
状況や飼育環境によって使い分けていきましょう。
当サイトでは自身の失敗を含む飼育体験談を元に、これからカエルを飼育する方に役立つ情報を発信していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。