令和2年のコロナ禍にアマガエル・ヌマガエルカエル・トノサマガエルの飼育を始めましたが、飼い始めてすぐのころは、知識が乏しかったゆえに多くのカエルを死なせてしまいました。
この記事では今だから言える恥ずかしい失敗談をお伝えします。
カエル飼育初心者の場合、やった方が良いことを知ることより、やってはいけないことを知る方が先決なので、これからカエルを飼育する(させられる)方は参考にしてください。
カエル飼育初心者のときにやらかした失敗7つを公開
一匹数千円、数万円で購入するペットであれば、事前に飼育の勉強はすると思いますが、タダで手軽に入手できる身近なカエルの場合、安易な気持ちからダメな飼育方法を選択しがちです。
- 石と水だけの飼育レイアウト
- 縄張りを無視した飼育レイアウト
- 飼育ケースの水の入れ替えを怠っていた
- 乾燥対策を怠っていた
- カルシウムを与えていなかった
- 気軽にカエルを素手で触っていた
- 冬場の冷え込む日に飼育ケースを室内へ移動させていた
カエル飼育失敗①:石と水だけの飼育レイアウト
カエルを捕まえて間もない頃は知識もなく、すぐに逃すつもりだったので、とりあえず水と石による陸地だけを設置。
石と水だけの飼育レイアウトに至った理由として『カエル=水』のイメージが強かったため。
実際にカエルについて勉強すると分かりますが、多くのカエルは陸上での生活時間のほうが圧倒的に長いです。
意外ですが、カエルのなかには泳ぎが下手な種も多く、溺死する事例もあります。
半水棲カエルの代表ともいえるトノサマガエルも野生下では水がある付近で見かけますが、普段は陸地でジッとしています。
したがって『陸地』は水のおまけでなく、土などの床材はもちろん、身を潜めることができる植物などを設置したカエルが安心できる陸地を作ることが大切です。
カエル飼育失敗②:縄張りを無視した飼育レイアウト
カエルは縄張り意識を持つ生き物です。
そのため弱いカエルは追い出されますが、カエル飼育直後のレイアウトは、陸地より水地の面積の方が広かったので、吸盤があるアマガエルは壁や天井付近へ、弱いヌマカエルやトノサマガエルは水地に追いやられていました。
カエルは肺呼吸であり水地には浮輪のような水草も入っていなかったので、翌朝にカゴの中を見ると水地に追いやられてしまった一部のカエルが溺死していました。
対策として、水地より陸地の面積を広くし、水地に追い込まれても生きていけるように水草を設置すること。
また、広めの飼育ケースを購入して、弱いカエルが水地に追い込まれる状況をなくすことです。
カエル飼育失敗③:飼育ケースの水の入れ替えを怠っていた
飼育ケースの水は流れがないことに加え、カエルが水の中でフン尿をしたりエサの残骸が混入することで細菌が繁殖しやすいです。(特に真夏)
さらにカエルは水分を口からでなく体内の皮膚から吸収するため、飼育ケースの水に浸かる機会が多いです。
もうお分かりですよね?
夏に飼育ケースの水の入れ替え管理を怠れば、細菌が一気に繁殖した水が出来上がり、その水を吸収したカエルは弱ります。
対策としては、水質調整剤を活用して細菌繁殖を軽減させつつ、定期的に水の入れ替え作業も行うこと。
カエル(両生類)は爬虫類と魚類の中間の生き物であることから、水を清潔に保つことはエサの供給と同じぐらい大事です。
カエル飼育失敗④:乾燥対策を怠っていた
カエルは魚類と同じエラ呼吸であるオタマジャクシから爬虫類と同じ肺呼吸に変態する両生類です。
そのため陸上で生活はするも魚類同様に水への依存度は高く、爬虫類と同じ感覚で飼育していると、翌朝カゴを見たらミイラ化したカエルを発見という事態が起きます。
やりがちなのが、飼育ケースの掃除で一時的に別カゴに入れ替えしている間や、夕方にカエルを捕獲して移動用の虫かごに入れたまま一晩置いてしまうこと。
対策として、飼育ケースの底に水を浸しつつ床材となる土にも水を保水させ湿度を保つこと、直射日光から身を隠せるように植物を設置することです。
掃除などで別ケースに入れる際は、別ケースに水だけは必ず設置して日陰に保管しましょう。
カエル飼育失敗⑤:カルシウムを与えていなかった
カエル飼育で一番大変なのはエサの確保です。
カエルは動くものしか食べないため生きたエサが必要になってきます。
そんなわけで身近で捕まる生きたエサとして昆虫(バッタやコオロギ)を与えていました。
コオロギは栄養も高くカエルも積極的に食べる良いエサなのですが、1つだけ欠点があります。
その欠点とはカルシウム不足に陥ることです。
カルシウムとリンの摂取比率の理想は1:1、ボーダーラインは1:2に対し、コオロギのカルシウムとリンの比率は2:15と圧倒的にリンの比率が高いのです。
カルシウム不足対策として、市販のカルシウムパウダーをコオロギに振りかけてカエルに与えること。(振りかけるとコオロギは真っ白になりますがカエルは容赦なく食べます)
他にもワラジムシやダンゴムシといったカルシウムが高い虫を与えることが挙げられます。
カエル飼育失敗⑥:気軽にカエルを素手で触っていた
カエルを手で触ったり優しくつかむことが実は死に繋がるとは、最初は全然知りませんでした。
知るきっかけは涼しい秋のことでした。
弱ってそうなカエルを別の飼育ケースに移動させようと手で捕まえたところ、突然カエルが痙攣してしまい、そのまま帰らぬカエルになってしまいました。
最初は何かの病気だと思っていたのですが、実はカエルを触れた手の体温が原因であることが分かりました。
両生類のカエルは鳥や哺乳類と違い変温動物なので、体温は外の気温と連動します。
秋の夜になれば気温も20度を下回りカエルの体温も下がります。
そんな状況下でカエルを体温36度の手で突然捕まえたら、カエルがヒートショックを起こすことは想像がつきます。
とくにカエルの場合、爬虫類のようなウロコがないため、熱がモロに内臓に達してしまうので、触る場合は爬虫類より気を使うべきです。
飼育ケースの大掃除などでカエルを一時的に移動させる場合も、金魚網などを使って手で触る時間を極力短くするか、水で手を冷やしカエルの体温と差が大きくならないように気をつけましょう。
カエル飼育失敗⑦:冬場の冷え込む日に飼育ケースを室内へ移動させていた
カエル越冬飼育1年目のお話です。
大型飼育ケースと小型飼育ケースに分けてカエルを越冬させましたが、小型飼育ケースは3月初旬にアマガエル1匹を残し全滅しました。
両者の違いは飼育ケースの大きさやカエル密度、床材などいろいろありましたが、一番の全滅原因は特に冷え込んだ日に、小型飼育ケースのみ屋外から屋内に移動をさせてしまったことです。
屋内に飼育ケースを入れたことにより、なんとカエルたちが土から顔を出して、動き回ってしまったのです。
動き回ると当然ながらカロリーを消費してしまいます。
しかし中途半端に食事を与えると、冬眠したときに捕食したエサが体内で腐る可能性があることから、エサは与えず翌朝には外に出して、カエルを再び冬眠へと導いていました。
そんな愚かな行為を繰り返していたことから2月下旬ごろ、小型飼育ケースのカエルたちはお腹を空かせたのか、まだ寒い(大型飼育ケースのカエルはまだ1匹も出てきていない)にも関わらず、土から出てきて2月下旬から3月上旬にかけて次々に力尽きてしまいました。
また一緒に飼育していたカナヘビも2月下旬にお亡くなりになりました。
一方、雪が降る冷え込んだ日も屋内に一度も入れなかった大型飼育ケースからは、トノサマガエル5匹全員が越冬に成功しました。
とくに冷え込むと心配になる気持ちは分かりますが、カエルを信じて冬眠から目覚めてしまう場所への移動はやめましょう。
カエル飼育失敗から学んだ3つのこと
7つのカエル飼育失敗の中から学んだことは3つあります。
これからカエルを飼育される方は参考にしてカエルをムダ死にさせないようにしてください。
- 飼っているカエルの特徴を知る
- 自然環境や飼育園の環境を参考にする
- サイトを鵜呑みにしない
飼っているカエルの特徴を知る
カエルと一口に言っても国内カエルだけで48種類います。
生物学的に分類すると以下の通り。
- アマガエル科
- ヒキガエル科
- アカガエル科
- アオガエル科
- ヒメアマガエル科
生活スタイルで分類すると以下の通り。
- 樹上棲
- 地表棲
- 半水棲
- 水棲
アマガエルやトノサマガエルは田んぼでよく見かけますが、トノサマガエルは半水棲、アマガエルは樹上棲と分類が異なります。
また半水棲のカエルにおいても、常に水際にいるカエルもいれば、トノサマガエルのように草木など陸地にも積極的に移動するカエルもいます。
このようにカエルといっても種類が多く、カエルによって飼育方法や飼育ケースのレイアウトは変わってきますので、まずはあなたが飼っているカエルの特徴を簡単に知っておきましょう。
本記事では各カエルの飼育方法を解説する際に対象となるカエルの特徴も紹介しています。
自然環境や飼育園の環境を参考にする
カエルを捕まえたけど、飼育ケースのレイアウトをどのようにしたらよいか分からない。
ネットで検索すると様々な飼育レイアウトが紹介されていますが、本質は1つだけです。
その本質とは自然環境です。
上級の飼育者ほど、飼育レイアウト内も自然環境に近いものを造成します。
あなたが見つけて捕まえたカエルはどんな環境にいたか?
トノサマガエルであれば、足元には土があり、近くには水場があり、身を隠せる植物があったはずです。
そう考えれば飼育ケースにおいても、石と水だけのレイアウトではダメだと感じるはずです。
ただし、限られた飼育ケース内で雄大な自然環境と同じ状況を100%創り出すのは現実的には不可能です。
そこで参考になるのが飼育園の環境です。
飼育園はプロが運営しているため、いろいろと参考になるので、飼育園に訪れた際は、カエルだけでなくレイアウトも意識して観察してみましょう。
サイトを鵜呑みにしない
いろいろなカエルサイトに目を通してみると、真逆のことが書かれており、戸惑うことがあります。
- 水場はいる、いらない
- ミルワームは与えたほうがよい、与えないほうがいい
- 床材は土がよい、土は大変だから○○がよい
見分け方として、カエル一括りで説明しているサイトは、あまり参考にしないほうが良いです
例えば水場の有無についても、樹上棲のカエルなら水場を不要にしても大丈夫な場合もありますが、半水棲のカエルの場合、水場がないと死亡リスクは一気に高まります。
前述したとおり、カエルは国内だけで48種類もおり、生活スタイルも異なります。
反対に○○カエルと固有名詞で説明しているカエルサイトは、参考にすべきですが鵜呑みは危険です。
我が家のカエルもそうですが、個体によってエサの好き嫌いや性格の違いはあります。
カエル飼育者として大事なことは、個体としっかり向き合うことです。
飼育レイアウトも定期的に変更したり、エサもたまには異なるものを与えたりして、飼っているカエルにとって一番の飼育環境を作ってあげましょう。
カエル飼育初心者の失敗まとめ
本記事ではカエル飼育の初心者時代にやらかした7つの失敗と、失敗から学んだ3つのことについてお伝えしました。
- 石と水だけの飼育レイアウト
- 縄張りを無視した飼育レイアウト
- 飼育ケースの水の入れ替えを怠っていた
- 乾燥対策を怠っていた
- カルシウムを与えていなかった
- 気軽にカエルを素手で触っていた
- 冬場の冷え込む日に飼育ケースを室内へ移動させていた
- 飼っているカエルの特徴を知る
- 自然環境や飼育園の環境を参考にする
- サイトを鵜呑みにしない
失敗事例という恥ずかしい記事を投稿した理由はただ1つ。
自分と同じ失敗をしてお亡くなりになるカエルを少しでも減らしたい!
身近にいるカエルは丈夫でペット飼育初心者向けなので、本記事で紹介した7つの失敗事例に注意すれば、死亡リスクは大きく減らせます。
当サイトでは自身の失敗を含む飼育体験談を元に、これからカエルを飼育する方に役立つ情報を発信していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。