カエル飼育で床材を土と決めた場合、次に迷うのが土の種類。
カエル飼育における当たりはずれがない代表的な土と言えば赤玉土と腐葉土となりますが、どちらが良いかはカエルの種類や育成状況によって異なります。
本記事ではカエル飼育における赤玉土と腐葉土の特徴を7項目で比較したうえで、それぞれの土がおすすめのカエルを紹介していきますので、カエル飼育の床材で迷っている方は参考にしてください。
個人的な見解として、見た目・管理面を重視するなら赤玉土。カエルの居心地性を重視するなら腐葉土です。
【カエル床材】赤玉土と腐葉土を7項目で比較
赤玉土 | 腐葉土 | |
---|---|---|
値段 | ||
排水性 | ||
保水性 | ||
潜りやすさ | ||
見た目 | ||
衛生管理 | ||
虫のよりにくさ |
値段
カエル飼育は意外とお金がかかるので、消耗品である床材の値段は大事です。
値段に関しては引き分け。
量の割には値段は安いです。
赤玉土も腐葉土もホームセンターで購入できます。
排水性
水場と陸地を行き来するカエルを飼育する場合、床材は当たり前のように濡れるので排水性は重要です。
排水性の低い土だと水たまりのようになってしまいます。
また尿が土の中に染み込まないと気化してしまい、アンモニア中毒の危険性も出てきます。
カエル飼育においては腐葉土の方が排水性を維持できます。
赤玉土と腐葉土はどちらも排水性の高い土です。(購入時の時点では赤玉土の方が排水性は高め)
しかしながら赤玉土の場合、トノサマガエルなどの大型で動きの激しいカエルに使用すると、粒が潰れてしまい赤玉土本来の排水性を失っていきます。
保水性
カエル飼育で重要視されるのが乾燥対策。
カエルは魚類から進化した両生類であり、爬虫類のように乾燥には強くないので、一定の湿度を保つことが求められます。
保水性に関しては引き分け。
赤玉土も腐葉土も保水性は高く、水を与えれば長い間、土の中は湿った状態を維持できます。
潜りやすさは
カエルと聞くと水のイメージがありますが、土との関係性も深く、後ろ足で土を掘り起こして身を潜める習性があります。
また、多くのカエルは冬眠時に土の中に潜りますし、活動期においても肌寒いときや暑いときは温度調整のために土に体を入れるため、潜りやすさ(掘り起こしやすさ)は大事です。
潜りやすさに関しては、腐葉土のほうが優れています。
腐葉土を触ると分かりますが柔らかい土です。
赤玉土だと土に身を潜めなかったカエルが、腐葉土に変えた途端に土に潜った光景も見かけました。
ただしトノサマガエルのように力の強いカエルであれば、赤玉土でも強引に掘り起こします。
見た目
飼育ケース内の見た目は床材の種類によってガラリと変わります。
見た目に関しては、明るい色合いの赤玉土に軍配が上がります。
腐葉土は黒に近い色合いの土あるため、飼育ケース内が暗い感じになってしまいます。
また、水場と陸地を行き来するカエルがいる場合、水場に土が混入してしまい泥水になりがちですが、赤玉土の場合、粒のまま底に沈むため、水の透明度を長期間維持できます。(赤玉土はメダカ飼育の床材にも使われるなど水中にも適した土です)
衛生管理
カエル飼育の日々の管理の1つに、糞や生き餌残骸の除去作業があります。
糞や残骸を見つけやすいのは赤玉土。
腐葉土だと糞と土の色が同じであるため見分けがつきません。
残骸も腐葉土はフワフワな土であることから埋もれやすく、そのまま放置状態になりがちです。
腐葉土の場合は、定期的に土の表面部分を掘り起こし、糞や残骸が地表に放置状態にならないようにする必要があります。
虫のよりにくさ
カエル飼育環境は湿った環境であるためコバエなど虫が集まりやすい環境です。
室内飼育の場合、虫が湧くと家庭内問題に発展するため、虫が湧きにくい工夫をする必要があります。
虫が寄りにくいのは赤玉土。
赤玉土は虫の栄養となる有機物を含まないため虫が寄ってきません。
腐葉土は有機物を含んでおり、さらに虫の栄養分も含んでいることから野外のカエル飼育で使用すれば、ほぼ確実にコバエは湧きます。
植物育成であれば虫が湧くのはデメリットしかありませんが、カエル飼育の場合、一概にデメリットとは言えません。
カエルは生きエサを基本としており、腐葉土に寄ってくる虫もカエルにとってはエサの対象となるからです。
大きなエサが食べられない幼体のカエルにとってコバエは貴重な栄養源になります。
我が家でも幼体カエルを飼育する場合、庭で抜いた雑草などを入れて、意図的に虫が寄ってくるように仕掛けます。
腐葉土がおすすめのカエル
カエル飼育における腐葉土の最大の利点は潜りやすさです。
ヒキガエル(幼体~成体)
地表棲のヒキガエルは日常的に土を掘り起こして、身を隠す穴を作って生活しています
そんなヒキガエルには柔らかい腐葉土の方が適しています。
またヒキガエルのエサとなるダンゴムシやミミズも腐葉土と相性が良いです。
幼体のカエル
カエルが土に潜る目的は外敵から身を隠す以外に、乾燥・寒さ・暑さ・日光から身を守ることが挙げられます。
幼体カエルは軟弱であるため、柔らかい土でないと潜ることができないため、温度湿度を徹底管理できない飼育環境ならば、カエル自身に調整を託す意味でも潜りやすい腐葉土の方が良いです。
また、前述した通り、虫が寄りやすさも幼体カエルにとってはメリットとなります。
冬眠予定のカエル
カエルは冬になると土の中で冬眠するため、1年を通じて野外飼育するのであれば、力の弱いアマガエルでも潜りやすく保水性にも優れた腐葉土が最適です。
9月に入り朝晩が涼しくなると、カエルは防寒対策として一時的に土に潜るようになるので、最低気温が15度を下回るようになってきたら腐葉土への切替をおすすめします。
赤玉土がおすすめのカエル
カエル飼育のおける赤玉土の最大の利点は見やすさです。
半水棲のカエル(成体)
半水棲のカエルの場合、陸地と水場の両方を用意することから、広い飼育ケースが必要となるため、見た目が明るい赤玉土の方がケース内が明るくキレイな感じに見えます。
また、赤玉土だと水場に土が混入した場合も、腐葉土と比較して濁りにくいメリットもあります。
病気の要因となる糞が見つけやすいのも魅力。
樹上棲のカエル(成体)
アマガエルのような草木に生息するカエルの場合、夏の活動期に積極的に土の中へ潜るようなことはないため、見た目重視で明るい赤玉土を選んだほうが映えます。
樹上棲のカエルの場合、土と接する頻度も少ないため、赤玉土の粒が潰され排水性が劣化する心配も不要です。
ただし、幼体の場合は餌の確保が難しくなるため、前述した通り、虫がよりやすいことが大きなメリットになるので腐葉土の方が適しています。
カエル床材(赤玉土・腐葉土)まとめ
本記事では赤玉土と腐葉土を7項目で比較したうえで赤玉土がおすすめなカエル、腐葉土がおすすめなカエルをお伝えしました。
赤玉土
腐葉土
赤玉土・腐葉土が向いているカエル
同じカエルでも時期や成長段階や飼育スタイルよって最適解が変わってきますので柔軟に対応していきましょう。
当サイトでは自身の失敗を含む飼育体験談を元に、これからカエルを飼育する方に役立つ情報を発信していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。