カエルやカナヘビのエサといえばコオロギが人気ですが、コオロギは飼育管理が大変というデメリットがあります。
『生体を飼育しているのか、生体のエサであるコオロギを飼育しているのかわからなくなる』という言葉は実に的を得ています。
そんなわけで、我が家では小型~中型のカエル(アマガエル、ヌマガエル、カジカガエルなど)やカナヘビ、ニホンヤモリ、ニホントカゲには、コオロギとミルワームを併用していますが、ミルワームの方がエサとしての飼育は圧倒的に簡単です。
ミルワーム飼育(ストック)が簡単と言える理由は5つ。
- 掃除は月1回で十分
- エサは放置でよい
- 水分はほぼ不要
- レイアウトは簡易
- 温度や湿度の変化に強い
一言で済ませるならミルワームは生命力が高い!
注意点も解説しますので、コオロギ主体でカエルや小型爬虫類を飼育をしている人はミルワームも視野に入れてみてください。
ミルワーム飼育(ストック)が簡単な5つの理由
ミルワーム飼育はコオロギと比較すると断然簡単な5つの理由を、コオロギ飼育(ストック)と比較しながら解説していきます。
理由①ミルワームケースの掃除は月1回でよい
コオロギはふん尿と脱皮の抜け殻から、1週間放置するだけで汚れも目立ちますし臭いもします。
そのまま放置しておくと、臭くなるだけでなく、ふん尿の気化などから、全滅するリスクもあることから、1週間単位の掃除が求められます。
ミルワームもコオロギと同じように脱皮はしますが、1か月放置しても、汚れや臭いが目立つようなことはありません。
また、ミルワームはコオロギと違い繊細ではないので、1か月掃除をしなくても問題はありません。
掃除内容も簡単で、死骸の撤去と床材を総入れ替えするぐらいです。(ダニ防止のために死骸の撤去だけは定期的に行ったほうが良いです)
購入してから1か月で使い切るのであれば掃除は考えなくてよいです。
理由②ミルワームのエサは放置でよい
コオロギもエサは放置できますが、エサ場でふん尿をしたり湿気てしまうことを考慮すると、エサの放置は1週間ぐらいが限度です。
ミルワームのエサはパン粉・小麦ふすま・かつお節などがエサとなりますが、ミルワームは水分をほとんど放出しません。
そのため、一旦パン粉等を入れてしまえば、後は放置で問題ありません。(パン粉を喰らいつくしても、購入時にカップに入っていたふすまを食べるので、エサとなる床材さえ用意すれば餓死は防げます)
床材となるパン粉・小麦ふすまが、そのままエサになるため、飼育管理は非常に楽です。
理由③水分はほぼ不要
コオロギ飼育で地味に大変なのが水管理。
水をそのまま与えると溺死リスクがあるため、水を染み込ませたキッチンペーパーを置くのですが、夏場はすぐに乾燥するため、毎日キッチンペーパーに水を染み込ませる作業が必要です。
ミルワームは乾燥に非常に強い生き物なので、水分をほとんど必要としません。
購入してから2週間ぐらいであれば、床材に含まれた僅かな水分で生き延びるので、購入して2週間以内に使いきるのであれば、水分は考慮しなくても大丈夫です。
半月以上保管する場合でも、野菜の葉など水分を含んだものを、少し与えるだけで十分です。
なお、床材の上にきゅうりなど水分を多く含んだ野菜を置いてしまうと、床材が水分を吸って床材が悪くなってしまうので、床材と水分を含んだ野菜は直接触れないように気をつけましょう。
霧吹きも床材を悪くするうえにカビなどの原因にもなるので控えましょう。
理由④ミルワームのレイアウトは簡易
コオロギ飼育の場合、住居部分である卵トレー、水分補給の場、エサの場を設ける必要があります。
ミルワームは普段床材に潜りこむうえに、ふすまやパン粉などの床材がエサにもなるため、虫かごにミルワームが潜れる床材を設けるだけで準備完了です。
虫かごも100円ショップの簡易的なものでOKです。
理由⑤ミルワームは温度・湿度の変化に強い
コオロギは温度や湿度に影響を受けやすいデリケートな生き物なので、梅雨時や真夏時は注意して保管する必要があります。
ミルワームは夏場は日陰におき、冬場は日の当たる場所に置くぐらいの配慮で大丈夫です。
湿度に関しては、乾燥に強いだけでなく、高湿度でも生き延びるので、風通しの良い場所におき、床材が濡れないように配慮するぐらいで問題ありません。
真夏でも真冬でも野外で保管できるのはありがたいです。
ミルワームの生命力の高さを実感した2つのエピソード
ミルワームがコオロギと比較して生命力が高いことから、管理も楽であることを伝えましたが、気になるのがミルワームの生命力。
ミルワームの生命力の高さを数値化するのは難しいので、実際に僕が目のあたりにした2つのエピソードをお伝えします。
冬場に2か月以上、水もエサも与えず放置しても生存
冬と言えば寒さのほかに乾燥も問題となりますが、ミルワームは乾燥に強い生き物です。
保管ケースの中に2か月以上、水分を与えずに野外放置していましたが、死亡したのはごく一部だけでした。
秋から冬に3か月以上、エサ用ケースに放置しても生存
カエルやカナヘビが冬眠の準備をする10月から、いつでもエサを食べられるようミルワームをエサ用ケースに入れておいたのですが、1月になり、いざ撤去しようとエサ用ケースを確認したところ、なんとミルワームは生きていたのです。
エサ用ケースなので、ミルワームが身を潜める床材はなく暖は取れません。(エサは一枚のかつおぶしのみ)
ただし、動くことはほとんどなかったので、実は冬眠していたのかもしれません。
ミルワーム飼育(ストック)の3つの注意点
ミルワームは生命力が高く、コオロギのようなデリケートな扱いをする必要はありませんが、気をつける点は3つあります。
- 高密度による死亡率増加
- 高湿度によるカビやダニの発生
- 高温による成虫への変態
高密度による死亡率増加
ミルワームはカップ販売されていますが、あまり詰め込めすぎると死亡率が高まります。
実際に高密度のケースと低密度のケースでABテストを何度かしましたが、高密度のケースの方が死亡率は高かったです。
死亡の原因は他の生物同様に共食いやストレスが考えられます。
カップ販売の状態は高密度なので、死亡率を低くするのであれば、別ケースに入れ替えることをおすすめします。
我が家では購入後に虫かごケースに移し替え、パン粉とかつお節を入れて飼育管理しています。
高湿度によるダニやカビの発生
ミルワーム自体は高湿度でも生き延びますが、湿度が高い状態が続くと床材のカビ発生率が高まります。
外気だけでなく、水分を含んだエサが床材と接触することでも、ケース内の湿度は高まるので注意が必要です。
また、高湿はカビ以外にもコナダイの大量発生を引き起こします。
コナダニは一般家庭にも存在しているダニであり害はないですが、放置しておくとコナダニを食べるために、人間に害のあるツメダニも引き寄せることになります。
カビは異臭を放つうえに、ダニやコバエなども引き寄せるので、高温・高湿の夏場は注意が必要です。
高温による成虫への変態
夏のミルワーム保管で注意しないといけないのが、成虫への変態です。
ミルワームは幼虫であり成虫へと変態しますが、変態の要因は『時間』でなく『温度』です。
30度以上になると成長速度が一気に上がり、成虫への変態が早まります。
各飼育サイトで、夏は冷蔵庫の野菜室でミルワームを保管していると書かれているのは、ミルワームを暑さから守るのでなく、成虫への変態を止めるためです。
大きいミルワーム10匹をエサ用ケースに入れて、2日後に確認したら成虫だらけだったのは良き思い出。さなぎはもちろん、さなぎ前も動かなくなるため、エサとして認識されず、そのまま成虫に変態のパターンです。
まとめ:ミルワーム飼育は簡単
本記事ではミルワーム飼育が簡単と感じる理由と注意点についてお伝えしました。
- 掃除は月1回でよい
- エサは放置でよい
- 水分はほぼ不要
- レイアウトは簡易
- 温度や湿度の変化に強い
- 高密度による死亡率増加
- 高湿度によるカビやダニの発生
- 高温による成虫への変態
ミルワームは生命力が高いので初心者でもストックは簡単です。
当サイトでは自身の失敗を含む飼育体験談を元に、これからカエルを飼育する方に役立つ情報を発信していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。