【初心者向け】カジカガエルの飼育方法、飼育セット、レイアウトを徹底解説

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【初心者向け】カジカガエルの飼育方法、飼育セット、レイアウトを徹底解説
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清流の歌姫の異名をもつカジカガエル。

渓流でカジカガエルを捕まえるも飼育に関する情報量が少なく、どのような飼育をすればいいか、よく分かりませんでした。

ココガエル

飼育レイアウトの基本は『捕まえた場所の再現』ですが、初心者に渓流の再現はハードルが高すぎます。

これまでのカエル飼育の知識と経験からカジカガエルの飼育に成功(野外越冬含む)したので、本記事ではカジカガエルの特徴や生態を踏まえたうえで、節約重視かつ初心者向けの飼育方法についてお伝えします。

意外とタフなカエルなので、特別な道具は必要なく、カエル飼育が初めてでも問題なく飼育できます。

  • カジカガエルに興味がある
  • 子どもが渓流でカジカガエルを捕まえてきて飼うことになった
  • あまりお金をかけずにカジカガエルを飼育したい
  • カジカガエルの実際の飼育レイアウトや飼育に必要な道具を知りたい

上記に当てはまる方は最後まで読んでみてください。

この記事でわかること

カジカガエルの6つの特徴

カジカガエルの主な特徴は6つあります。

カジカガエルの特徴
  1. 鳴き声が非常に綺麗で清流の歌姫の異名をもつ
  2. 大きさは37~69mmでメスのほうが大きい
  3. アマガエルやヤモリと同じく吸盤があるので、壁や天井も歩ける
  4. 泳ぎも上手でトノサマガエルのように水底に潜伏も可能
  5. 色は灰色でアマガエルのように極端な色変わりはしない
  6. 普段は石の上でじっとしている

カジカガエルの一番の特徴は鳴き声が綺麗であること。

日本の音風景百選では宮城県と鳥取県でカジカガエルの鳴き声を挙げており、カエルとは思えない鳴き声です。

渓流に生息するカエルのため水かきも発達しており、身の危険を感じると流れの早い水中でも迷いなく飛び込みます。

また吸盤があるので急流でも留まることができます。

普段は吸盤を活用して岩場の物陰でジッとくっついており、体の色も岩場と同化していることから見つけるのが大変です。

ココガエル

見つけるのが大変なレアなカエルだよ。

カジカガエルの生息地と生態

カジカガエルの生息地

カジカガエルはアオガエル科・カジカガエル属に分類され、カジカガエル属はカジカガエルだけしかいません。

ココガエル

余談ですがトノサマガエル属はトノサマガエル、トウキョウダルマガエル、ナゴヤダルマガエルの3種類、アマガエル属はニホンアマガエル、ハロウエルアマガエルの2種類のカエルが日本で存在します。

カジカガエルの生息地は本州・九州・四国であり日本にしかいないカエルです。

アマガエルのように田んぼにはおらず、渓流の岩場に生息しています。

近年は環境汚染の影響でカジカガエルの生息地が減少し、県によっては準絶滅危惧種に指定されていることもあるため、カジカガエル捕獲をする際は事前確認をしておきましょう。

繁殖期は4月~7月であるため、この時期の渓流でカジカガエルを見かけたり鳴き声を聞くことができます。

11月を過ぎ朝晩冷え込むようになると、カジカガエルは土に潜ったり岩場などの隙間に潜伏し冬眠の準備をします。

カジカガエルに必要な飼育セット

飼育ケースのセット一覧

カジカガエルの特徴や生態は分かってもらえたと思いますので、ここから本題の飼育について解説していきます。

まずはカジカガエル飼育に必要なものを順に紹介していきます。

飼育ケース

カジカガエルを飼育する際はやや大きめの飼育ケースをおすすめします。

やや大きめの飼育ケースが良い3つの理由
  1. ケース内に石や植木鉢を置く必要があるため
  2. 陸地だけでなく一定の水地スペースも必要となるため
  3. 夏場は水場を多く用意する必要があるため

カジカガエルは野生下では風通しのよい場所に生息するため、飼育ケースも風通しを重視しましょう。

またカジカガエルは吸盤があり壁も天井も簡単によじ登るため蓋は必需品です。

カジカガエルは高くジャンプはしないですが、植物や登り木も設置するため、各モニュメントが収まる高さのケースを選びましょう。

越冬を検討している場合は、土を5センチ以上入れることを前提として飼育ケースを選びましょう。

幅453㎜×奥行303㎜×高さ340㎜

ココガエル

複数のカジカガエルを飼育するなら大型の飼育ケースがおすすめです。上記飼育ケースは現在利用中。

アイリスオーヤマの特大飼育ケース

幅295㎜×奥行180㎜×高さ200㎜

床材

普段は葉っぱ、枝、壁にくっついていますが、餌を食べるときや糞尿するときに地上に降りてくるので、床材は必需品です。

カエル飼育の床材としては一般的に以下のものが挙げられています。

  • 水苔
  • フロッグソイル
  • ウールマット
  • キッチンペーパー

野外飼育であれば土がおすすめで、土のなかでも腐葉土か赤玉土をおすすめします。

腐葉土・赤玉土がおすすめな理由
  1. サイフに優しい値段
  2. 保水性が高いので一定の湿度を保てる
  3. 排水性が高くカエルの尿や飛び散った水も吸収してくれる

冬以外は土に潜ることはほとんどないので、カジカガエルだけの活動期の飼育であれば、見栄えがよい赤玉土をおすすめします。

幼体カジカガエル飼育の場合は、餌となる小さな羽虫が寄ってくる腐葉土のほうがよいです。

鉢底石(洗濯ネット含む)

鉢底石は植物を育てる際に排水性と通気性を確保するために使われますが、カジカガエル飼育では土の保水性を確保するために活躍します。

1~2㎝の鉢底石を敷いて鉢底石の高さ以上まで水を浸すことで、土が飼育ケース底の水を吸収し乾燥状態を防ぐことができます。

そのまま入れると土の入替作業時に鉢底石と土の分離が大変なので、下記画像のように鉢底石は洗濯ネットに入れて設置することをおすすめします。

冬眠飼育レイアウトの事前段階

植物

カジカガエルは普段、石の上や隙間のほか、葉っぱの上にいることも多いため植物は必ず入れてあげましょう。

植物を入れることでデットスペースも有効活用できるほか、身を潜める場所を作ることもできます。

ココガエル

カジカガエルがエサを食べない場合、身を隠せる場所があるか確認してみよう。

隠れる場所を作るもう1つのメリットが直射日光から身を守るためです。

カエルは爬虫類と比較して乾燥に非常に弱いので、直射日光を遮る植物の存在は極めて大きいです。

設置する植物ですが、カジカガエルに関してはポトスがおすすめです。

ポトスをおすすめな4つの理由
  1. カジカガエルが葉っぱに乗っても余裕で耐えられる
  2. 直射日光をあてる必要がない
  3. 葉っぱが大きいので身を隠せやすい
  4. ホームセンターで安価(200円~400円)で入手できる

ポトスは丈夫で見栄えも良く、日陰でも育ってくれるためコスパは良いです。

カジカガエルは葉の上でフン尿をすることもあるため、土に直接植えず、黒のビニールポットに入れたまま設置したほうが掃除が楽です。

登り木

カジカガエルは吸盤があることから、登り木を入れてあげると定位置として使ってくれます。

植物同様にデッドスペース解消にもなるのでぜひ入れてあげましょう。

登り木に居座るカジカガエル

設置する登り木はショップで売っている流木セットでも良いですが、手軽に済ますなら公園に落ちている丈夫な木の枝でも十分です。

公園で拾ってきた木の枝を入れる場合、腐敗していないか確認したうえで熱湯消毒しておくこと。

自然公園法により国立公園にある物(木の枝含む)は採集して持ち帰ることはできません。

植木鉢(陶器製)

カジカガエルは渓流に生息するカエルですが、半水棲のカエルのように日常的に水の中には入りません。

それでも一定の広さの水場を用意する理由が飼育ケース内の温度上昇の軽減。

水場スペースは水容器でもよいですが植木鉢もおすすめです。

植木鉢は水場作り以外に普段の隠れ家としても役立ちます。

水場用の植木鉢の大きさの目安は、飼育ケースに収まるサイズで飼育ケースの3~4割ほどのサイズがおすすめ。

隠れ家用の植木鉢は陸地に置くことになり、大きいと邪魔になるので小さめで問題ありません。

植木鉢は陶器製とプラスチック製がありますが、水や空気を通しやすい陶器製をおすすめします。

カジカガエルは野生下では石にくっついていることも多いため、石は必需品です。

実際に石を入れておくと、石の上や側面にカジカガエルが居座ってくれます。

カジカガエルは石も1つの縄張りとするため、1つの飼育ケースで複数のカジカガエルを飼育する場合は石も複数入れるようにしましょう。

水質調整剤

飼育ケースの水場は動きがないことから、夏場は菌が繁殖しやすい環境になっています。

菌が繁殖してしまうと、水場に浸かり体から水分を取り入れたカジカガエルが病気がちになるため、水質管理は必要不可欠です。

水質管理で頼りになるのが、有害なアンモニアや沈殿する有機物(残餌、排泄物)を分解・除去してくれるバクテリア。

バクテリアは水質調整剤としてネット通販はもちろん、カメや魚類を扱うペットショップでも取扱いしています。

ピンセット

ピンセットの役割は2つあります。

  • 給餌として使用
  • 排泄物の除去に使用

給餌とは具体的にはエサとなるミルワームを保管ケースからエサケースに移動させるときや、カエルに直接エサを与えるときに使用します。(警戒心が少ない個体だとピンセットからでもエサを食べます)

排泄物の除去とは意味通り、カエルの糞を除去するために使用。

カエルは床材や植物の葉にも糞をするので、見つけたらピンセットですぐに除去します。

給餌用と排泄物用は衛生面から別々にしましょう。

ハイゴケ

苔は必需品ではないですが、個体によってはハイゴケが設置してある場所がお気に入りスポットになります。

陸地全体にハイゴケを敷くとお金もかかるため、カジカガエルが好む場所(隙間や角)だけでよいです。

自然下である苔を設置する場合、付着している虫がケース内で繁殖するリスクがあるので購入をおすすめします。

エサケース

カエルのエサの定番であるミルワームやミディアムワームは平らなケースだと脱走していくので、入口が反り返り脱走が困難になった専用ケースがおすすめです。

カジカガエルの場合、ミルワームもエサとして大活躍します。

底が深いケースにすれば、ミルワームはもちろんコオロギも逃げ出せずケース内に留まってくれますし、カジカガエルは普段登り木や壁など高い位置にくっついているため、高さのあるエサケースでもすぐに見つけてくれます。

カジカガエルのエサ

エサケースに寄ってくるカジカガエル

カエル飼育で一番大変なのがエサの調達です。

カエルは一般的に動くエサしか食べないことから、生きエサが必要となります。

カジカガエルは川辺に生息することから、対象なるエサも川辺の生き物でないとダメと思いがちですが、他のカエルと大きな変わりはありません。

カジカガエルの主なエサは以下の通りです。

  • ミルワーム<ペットショップ>
  • イエコオロギ(~Mサイズ)<ペットショップ>
  • フタホシコオロギ(〜Sサイズ)<ペットショップ>
  • 身近にいる小型コオロギ
  • 小型のショウリョウバッタやオンブバッタ
  • 腐葉土や植物に寄ってくるコバエや羽虫
  • 小型のクモ

市販購入可能なコオロギやミルワームも食べてくれるので、エサ調達で悩む必要はありません。

我が家のカジカガエルに受けがよいのはミルワーム、イエコオロギ、小型のバッタです。

爬虫類専門ショップに行けば確実に入手できますし、ちょっとした爬虫類を扱っているホームセンターでも、コオロギはサイズごとに販売されています。

コオロギについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

店頭ではヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの2種類が取扱いされていますが、カジカガエルの場合はおとなしく溺死しにくいヨーロッパイエコオロギがおすすめです。

2種類の違いについては、こちらの記事を参考にしてください。

購入したコオロギの保管方法については、こちらの記事を参考にしてください。

コオロギはデリケートな昆虫であるため、エサにまで気を使いたくない人には、同じくカエルのエサで定番なミルワームがおすすめです。

エサのサイズですが、カジカガエルはアマガエルのように大きなものにガッツリ食らいつく貪欲さはないので、頭の30%~60%ぐらいを目安にしましょう。

与えるエサの量や頻度に関しては、情報を鵜呑みにせず、実際のカエルの体の様子を見て判断していきましょう。

コオロギやミルワームはリンが多くカルシウムが不足がちになるので、給餌の際はカルシウムパウダーを生きエサに振って(ダスティング)、カエルにカルシウムを与えていきましょう。

コオロギはデリケートな生き物で温度・湿度・環境に敏感なため、通販の場合は配送中に一定数死亡も覚悟しておきましょう。

ココガエル

コオロギに関しては、可能であれば実店舗に出向いて購入することをおすすめします。

カジカガエル活動期の飼育レイアウトと飼育方法

冬眠や冬眠前後以外の活動期の飼育レイアウトや日々の飼育方法についてお伝えします。

真夏の暑さは、渓流に生息するカジカガエルにとっても危険なので、必ず風通しが良く、日陰となる場所に置きましょう。

カジカガエル活動期の飼育レイアウト(画像あり)

カジカガエル飼育レイアウト

飼育レイアウトの作成手順

STEP
植木鉢と鉢底石を設置

上記画像だと底の状態が見えませんが、下記画像のような感じで土の下に鉢底石が敷いてあります。

ツチガエル飼育レイアウト 作成中

植木鉢の底は穴が空いており、水を入れると飼育ケース全体に行き渡るため、鉢底石は植木鉢内の水を溜める深さを目安に敷きます。

鉢底石はできる限り洗濯ネットに入れて敷いておくと、土の入れ替え作業時に土と鉢底石の分離が楽になります。

後述しますが、カジカガエル飼育の場合、それほど土は入れないので、水場の水位は鉢底石で調整します。

鉢底石の積み上げの目安としては3㎝ほど。

STEP
植物(ポトス)を設置

床材となる腐葉土や赤玉土に栄養分はないので、購入時のビニールポットのまま設置することをおすすめします。

鉢底石の高さまでは常時水がある状態なので、ビニールポットごと飼育ケースの底に設置しておけば、水を与える手間が省けます。

STEP
鉢底石の上に土を敷く

上記画像は床材として赤玉土を敷いていますが、腐葉土でも問題はありません。

カジカガエルは土の上にいることは少ないので、土の深さの目安は5㎝もあれば十分です。

床材である土の役目はふん尿の吸収やエサとなるコオロギの居場所を与えることなので、あまり深くする必要はありません。

STEP
石を設置

カジカガエル飼育に欠かせない石を設置。

注意点としてカジカガエルは隙間を好み、石と壁の間に潜むことが多いですので、飼育ケースを動かした際に石が動いてカジカガエルが圧死しないように、石は土に若干埋めて動かないように固定しておきましょう。

STEP
水場に登り木と植物を入れる

カジカガエルは登り木を好むので水場に設置しましょう。

登り木を水場に入れることでエサであるコオロギの溺死対策にもなります。

また水場に植物を入れることで、飼育ケース内に暑くなった際に水場に寄りやすくなります。

水場の植物としてはホテイソウがおすすめです。(コオロギの溺死対策にもなります)

STEP
涼しい場所にハイゴケを設置

水場や植物の陰となる涼しい場所にハイゴケを設置して、飼育ケース内が暑くなった際にリフレッシュできる床を用意しておきましょう。

STEP
水と水質調整剤をケース内に入れる

水をそのまま放置しておくと菌が繁殖しやすいので、水質調整剤も入れます。

植木鉢は底に穴が空いているため、水を入れていくと飼育ケース全体に行き渡り、床材も湿ってきます。

カジカガエルは水に浸かることは少ないですが、水は飼育ケースの温度上昇を抑える役割もあるため、多めに入れておきましょう。

水を多く入れることで尿などの汚れも分散できます。

カジカガエル活動期の飼育方法

カジカガエル飼育で行うべきことは5つあります。

  1. 給餌
  2. 排泄物の除去
  3. 残骸物の除去
  4. 水の付け足し
  5. 床材と水の入れ替え

①給餌

エサの頻度は成体なら週2回、幼体ならば毎日か2日に1回を目安にしましょう。

毎日エサを与える必要はありません。

カジカガエル幼体は成体と比較して代謝が高いうえに、大きさもアマガエル幼体と変わらない小さいうえ、エサもSSSサイズのコオロギ、羽虫、ショウジョウバエ等と限定されるので上級者向けです。

カジカガエルはトノサマガエルやヌマガエルのような食欲旺盛ではないので、コオロギを投入する場合はカジカガエル1匹に対して2~3匹で十分です。

コオロギを大量投入すると、お腹を空かせたコオロギがカジカガエルに攻撃する危険性があります。

コオロギは身を隠す習性があり、カジカガエルが見つけられないこともあるため、いつでも補給できるようにエサケースにミルワームを設置しておきます。

食べる量は個体や時期によって変わってくるため、ミルワームの食べ具合で調整していきましょう。

前述したとおりコオロギやミルワームが主食の場合、カルシウムが不足がちになるため、エサとなる生き物にカルシウムパウダーを振りかけてあげましょう。カルシウム不足になると代謝性骨疾患(くる病や骨軟化症など)にかかるリスクが高まります。

ビタミンDは日光に浴びることで生成できるため、日光が当たる場所で飼育している場合はビタミンDなしを購入しましょう。カルシウムと違いビタミンDの過剰摂取はカエルの健康を害します。

②排泄物の除去

排泄物の放置は衛生状態の悪化に繋がるので、給餌のついでに排泄物(糞)を除去していきます。

カジカガエルは土以外に葉や石に糞をすることもあるため、隅々まで確認する必要があります。

葉の上の糞は葉が痛む原因になるので、すぐに除去してスポンジでしっかり洗っておきましょう。

腐葉土の場合、土の上で糞をされても見つけにくく放置になりがちなので、定期的に表面の土を掘り起こして糞が地中に埋まるようにします。

床材として手軽なキッチンペーパーの場合は、糞は見つけたらすぐに撤去しつつ、週1回は取り換えてあげましょう。

キッチンペーパーを床材にしている場合、糞尿の気化によるアンモニア中毒の危険性があるので、こまめな手入れが求められます。

③残骸物の除去

残骸とはエサであるコオロギやミルワームなどの死骸もしくは体の一部分。

カエルは動くものしか食べず死骸は対象とならないので、腐敗する前に除去しましょう。

④水の付け足し

給餌の際は、水場の水位も確認して定期的に綺麗な水を付け足しましょう。

夏場は蒸発により水の減りは早いです。(残骸除去でも水が減る)

水の付け足しと併せて水質調整剤も投入しておくと水質の汚れを緩和できます。

⑤床材と水の入れ替え

赤玉土や腐葉土の場合、月1回を目安に土と水の入れ替えをします。

色が黒い腐葉土だとぱっと見ても汚れが分からないですが、床材は糞やエサの残骸などで意外と汚れているほか、カエルの尿も含まれているので再利用はせず新品に取り換えます。

床材の入れ替え時には並行して水の総入れ替えもします。

苔もカエルの糞尿を含んでいることから、綺麗に洗い流すかボロボロであれば新品に取替えます。

猛暑日の対応

カジカガエルは清流の涼しい場所に生息するカエルのため猛暑対策は必須です。

具体的には飼育ケースを日陰で風通しの良い場所に移動させます。

直射日光が当たると飼育ケース内の温度も上がるので1日中、日陰となる場所が望ましいです。

また水場の水量を増やすことも暑さ対策となります。

カジカガエルは泳ぎが得意で吸盤もあるため、水位を高くしても溺死するリスクはありません。

カジカガエル越冬時の飼育レイアウトと飼育方法

カジカガエルは土の中で冬眠してしまうので、活動期と比較するとやるべきことは少ないです。

飼育者としての心がけは、無事冬眠できるよう手助けすることと、冬眠中も水分を定期的に与え、冬眠が永眠にならないようにすることです。

カジカガエル越冬時の飼育レイアウト(画像あり)

カジカガエルの冬眠期の飼育ケースレイアウト
上記飼育ケースではカジカガエル以外に5種理類のカエルも一緒。
落ち葉投入後のカジカガエルの冬眠飼育レイアウト
落ち葉投入後

飼育レイアウトの作成手順

STEP
植木鉢と鉢底石を設置

活動期の飼育レイアウト同様に飼育ケースの底に鉢底石を敷きます。

1~2㎝の鉢底石を敷いて、鉢底石の高さ以上まで水を浸すことで、土が飼育ケース底の水を吸収し乾燥状態を防ぐことができます。

植木鉢の役割は活動期とは異なり水場の役割はあまりなく、水の補給スポットとケース内の水位の確認が主な役割となるので、小型の植木鉢を角に設置します。

STEP
鉢底石の上に土を敷く

カジカガエルは土に潜って冬眠することから、土の存在意義は活動期より高いです。

冬眠期の土は、保水性を確保でき柔らかく掘り起こしやすい腐葉土がおすすめ。

土の深さは5~10㎝前後。

土が浅いと温度、音、光などの影響を受けやすく、深すぎると中間層に水が行き渡りにくくなるリスクを抱えます。

STEP
物陰を設置

飼育レイアウトを冬眠仕様に変更しても、カジカガエルはすぐに土に潜るわけではありません。

実際に我が家のカジカガエルは11月でも土に潜らず、植木鉢の隙間に隠れている日が多かったです。

一旦潜っても暖かい日には出てくることもあるので、植木鉢、重量のある水容器、植物を設置して物陰を作ります。

カジカガエルは物陰に隠れることが多く、また植木鉢や水容器付近の土に潜るため、植木鉢や水容器は冬眠明けまでそのままにしておきます。

STEP
落ち葉を投入

冬眠中は暗いほうがよく、落ち葉を入れることで日光を遮ることができます。

ただし、レイアウト変更直後に落ち葉を入れると、カジカガエルが土に潜っているのか目視できないほか、エサであるコオロギの隠れ場所になってしまうので、落ち葉投入は変更後しばらく様子見してからの方がよいです。

冬眠前のエサはコオロギでなくミルワームで進めていくのであれば、早めに落ち葉を投入して様子見しても構いません。

STEP
水と水質調整剤をケース内に入れる

冬眠中のカジカガエルも水分補給は必要不可欠。

冬眠中は土の中の水分を体から吸収するため、水は多めに入れておきます。(土の下層部分まで)

また冬眠中は土や水の総入れ替えはできないので、水質調整剤で水質を維持します。

カジカガエル越冬時の飼育方法

冬眠前後はエサをたくさん与える必要がありますが、冬眠してしまうと飼育者が行うことは水を定期的に補充するぐらいです。

  • 給餌
  • ケース内の水の補充
  • 水容器の水の補充

①給餌

冬眠中は蓄えたエネルギーを消費するので、冬眠前は活動期以上にガッツリ与えていきましょう。

ココガエル

我が家では9月中旬から餌の量や与える頻度を増やしています。

寒くなってもなかなか土に潜らない場合、エサが不十分な可能性もあります。

恒常的に土に潜るようになったらエサは取り止めします。

真冬でも温度や湿度が高いときに出てくることはありますが、中途半端にエサを捕食して消化不良のまま再び冬眠状態になると、未消化のエサが体内で腐敗するリスクがあるので、真冬はエサを与えないほうがいいです。

冬眠明けはミルワームなど寒さにある程度の耐性があるエサをケースに入れて様子見。

冬眠明けはエネルギーが不足しているため高エネルギーのハニーワームもおすすめです。

②ケース内の水の補充

冬眠前後は週2回水位を確認。

カエルが冬眠したら週1回を目安に水位を確認して水を補充します。

水を補充する際は、植木鉢の部分に補給しつつ上からも振りかけます。

土の下層部と上層部から水を浸透させていくことで、土全体に水が行き渡るようになります。

ココガエル

昔は霧吹きもおすすめしていたけど、毎日だと手間がかかるし、霧吹きだと上層部からしか水が浸透せず、水容器や植木鉢の真下で冬眠しているカジカガエルには水が行き渡りにくいので今はおすすめしていません。

③水容器の水の補充

飼育レイアウト変更後は水容器が主な水場となります。

カジカガエルが恒常的に土に潜るまでは、週1~2回を目安に水を入れ替えしましょう。

1月でもたまに土から出てくることがあるので、いつでも入水できるようにケース内の水補充と併せて水容器の水も補充します。

④土の入れ替え

冬眠に入ると土の入れ替えはできなくなるので、冬眠前に新鮮な土に入れ替え、土の量も多めに入れておくこと。

また、土が固いと深く潜れないので、入れ替え時に水分を含ませて柔らかくしておきましょう。

春にカジカガエルが土から出てきたら、新しい土と入れ替えします。

カジカガエルに関する3つの注意点

カジカガエル飼育に興味がある方に伝えたい注意点は3つあります。

脱走対策は厳格に行う

カジカガエルは吸盤があるため、天井でも隙間があれば脱走します。

我が家でも下記画像の隙間から見事に脱走されました。

僅かな隙間でも脱走される

カジカガエルは平ぺったい体型であるため、わずかな隙間も通れてしまうので注意しましょう。

捕獲時も暑さ対策を忘れない

川でカジカガエルを捕まえた後にケースに一旦入れると思いますが、ケース内にしっかり水を入れておきましょう。

カジカガエルは暑さに弱いため、水が少ないとケース内の温度が上がってしまい死亡します。

ケース内に水だけだと、カジカガエルの居座る場所が壁と天井だけになってしまうので、雑草を入れてカジカガエルの居場所を増やしてあげましょう。

またケースはなるべく日の当たらない場所に置くように心掛けましょう。

鳴くのはオスだけ

鳴き声を目当てでカジカガエル飼育を検討されている方もいると思います。

カジカガエルのメスは鳴かないので、鳴き声を期待するのであればオスだけを持ち帰りましょう。

オスとメスの区別は体格以外で判別は難しいです。(メスの方が体格が大きい)

カジカガエルはメスの方がオスより一回り大きい
メスの上の乗るオス

カジカガエル飼育まとめ

本記事ではカジカガエルの特徴を踏まえたうえで、カジカガエルに必要な飼育セットと飼育方法・注意点について解説しました。

カジカガエルの特徴
  1. 鳴き声が非常に綺麗で清流の歌姫の異名をもつ
  2. 大きさは37~69mmでメスのほうが大きい
  3. アマガエルやヤモリと同じく吸盤があるので、壁や天井も歩ける
  4. 泳ぎも上手でトノサマガエルのような水底に潜伏も可能
  5. 色は灰色でアマガエルのように色変わりはしない
  6. 普段は石の上でじっとしている
カジカガエルに必要な飼育セット
  • 飼育ケース
  • 床材(土やソイルなど)
  • 鉢底石(洗濯ネット含む)
  • 植物(ポトス)
  • 植木鉢(陶器製)
  • 登り木
  • 水質調整剤
  • ピンセット
  • ハイゴケ
  • エサケース
カジカガエルの主なエサ
  • ミルワーム<ペットショップ>
  • イエコオロギ(~Mサイズ)<ペットショップ>
  • フタホシコオロギ(〜Sサイズ)<ペットショップ>
  • 身近にいる小型コオロギ
  • 小型のショウリョウバッタやオンブバッタ
  • 腐葉土や植物に寄ってくるコバエや羽虫
  • 小型のクモ
カジカガエル飼育方法(活動期)
  • 給餌
  • 排泄物の除去
  • 残骸物の除去
  • 水の付け足し
  • 床材と水の入れ替え

カジカガエルは飼育の情報量が少なく渓流に生息するカエルであることから、飼育のレベルは高そうに感じてしまいます。

しかしながら、いざ飼育してみると、田んぼで捕まえられるトノサマガエルやアマガエルと基本的な飼育法は変わらないことがわかりました。

飼育環境が整っていない状態で捕まえてしまうと、カジカガエルがストレスを感じて弱ってしまうため、飼育環境を整えてからカジカガエルの飼育を開始しましょう。

当サイトでは自身の失敗を含む飼育体験談を元に、これからカエルを飼育する方に役立つ情報を発信していきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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この記事でわかること