カエルと言えば真っ先に思い浮かぶのがアマガエルですが、いざ田んぼにいくと、よく見かけるのがヌマガエル。
そんなヌマガエルですが、アマガエルやトノサマガエルと比較すると知名度は低く、どんなカエルでどのような飼育をすればいいか、よく分かりませんでした。

ネットで検索してみても、ヌマガエルの情報量はアマガエルやトノサマガエルより圧倒的に少なく飼育は手探りでした。
しかし、いざヌマガエルを飼育してみると、意外と可愛げのあるカエルであることに気がつかされたのです。
飼育方法も難しくなく、カエル飼育1年目で野外飼育の越冬にも成功しています。
このことから、ヌマガエルはカエルの中でも初心者向けであり、アマガエルと同じく飼育しやすいカエルだと言えます。
本記事ではヌマガエルの特徴や生態を踏まえたうえで、節約重視かつ初心者向けの飼育方法についてお伝えします。
- ヌマガエルに興味がある
- 子どもがヌマガエルを捕まえてきて飼うことになった
- あまりお金をかけずにヌマガエルを飼育したい
- ヌマガエルの実際の飼育レイアウトや飼育セットを知りたい
このような方はぜひ読んでみてください。
ヌマガエルの9つの特徴


ヌマガエルを飼育するうえで、知っておきたい特徴は9つあります。
- ジャンプ力が強い
- 地表性のカエルだが水辺を好む
- 大きさは29~54mmでメスのほうが大きい
- ツチガエルと違いお腹は真っ白
- 泳ぐことはできるがスピードは普通
- 手足に吸盤はないので壁は登れない
- 食欲旺盛で自分の体の半分ぐらいの獲物も積極的に食べにいく
- 鳴き声はアマガエルより小さい
- おたまじゃくしは40度の高温の水でも耐えられる
ヌマガエルは地表性のカエルですが、同じ地表性のヒキガエルと違い水辺を好むことから、水がある田んぼでよく見かけることが多いカエルです。
見た目はぽっちゃり系ですが、ジャンプ力は同サイズのトノサマガエルと同じぐらい強いです。
後ろ足はヒレのようになっており、泳ぐこともできますが、地表性のカエルなので長時間泳ぐことはできず、すぐに物陰に隠れます。
見た目とは裏腹に食欲はかなり旺盛かつ豪快で、同サイズのトノサマガエルと比較すると、ヌマガエルに軍配が上がります。
ツチガエルとよく間違えらられるカエルなので、ツチガエルとの違いは把握しておきましょう。
一番簡単な判別方法はお腹で、ヌマガエルはお腹真っ白に対し、ツチガエルはお腹にもイボイボがあります。




ヌマガエルの生息地と生態


ヌマガエルはヌマガエル科・ヌマガエル属に分類され、ヌマガエル属は西日本を中心に生息するヌマガエルと、宮古島や石垣島などの先島諸島に生息するサキシマヌマガエルがいます。(東日本に生息するヌマガエルは国内外来種になります)
本記事では西日本各地に生息するヌマガエルについて解説していきます。
ヌマガエルの繁殖時期は5月~8月と長く、産卵後に水田が干からびいてしまうと、すぐに産卵しなおすことから、9月でも1センチ程度の幼体ヌマガエルを見かけます。
田んぼに水が入ると繁殖活動を始めますが、同時期に鳴き声が大きいアマガエルも繁殖活動も行うため、田んぼではヌマガエルの鳴き声はアマガエルに打ち消されているように感じます。



鳴き声はアマガエルと明らかに違うので、注意して耳をすませばヌマガエルも鳴いていることがわかるよ。
10月を過ぎ朝晩冷え込むようになると、ヌマガエルは土に潜って冬眠の準備をします。
冬眠前は体力を蓄えるためにエサをたくさん食べるので、9月以降でも田んぼでヌマガエルを見ることができます。
ヌマガエルの寿命ですが、概ね5年程度と言われています。
ヌマガエルに必要な飼育セット


ヌマガエルの特徴や生態について何となく分かってもらえたと思いますので、ここから本題の飼育について解説していきます。
まずはヌマガエル飼育に必要なものを順に紹介していきます。
飼育ケース
ヌマガエルを飼育する際は、2つの理由から大きめの飼育ケースをおすすめします。
- 縄張り意識があり、弱いカエルにも逃げ場(スペース)を確保する必要があるため
- 陸地だけでなく一定の水地スペースも必要となるため
風通しが良ければ、飼育ケースの種類は、大型の虫かごでも水槽でも衣装ケースでも問題ありませんが、ジャン力が高く脱走リスクがあることと、野外飼育の場合、鳥に狙われることから蓋は必ず用意しましょう。
飼育ケースの高さですが、ヌマガエルはジャンプ力がありますが、脱走やエサの捕獲などの目的がない限り高くジャンプすることはないので、対象となるヌマガエル5匹分ぐらいの高さがあれば問題ありません。
越冬を検討している場合は、土を5センチほど入れることを前提として飼育ケースを選びましょう。
幅300㎜×奥行200㎜×高さ205㎜
幅375㎜×奥行250㎜×高さ168mm
床材
ヌマガエルは水辺を好みますが、地表性のカエルであり普段は陸地にいるカエルなので床材は必須です。
カエル飼育の床材としては一般的に以下のものが挙げられています。
- 土
- 水苔
- フロッグソイル
- ウールマット
- キッチンペーパー
ヌマガエルの場合は土、水苔、フロッグソイルが向いており、個人的には野外飼育であれば土がおすすめで、土のなかでも腐葉土を主体とすることをおすすめします。
- サイフに優しい値段
- 湿りやすいので一定の湿度を保てる
- やわらかい土なので寒いときは手軽に潜れる
- カエルの尿を土が吸収してくれる
- 腐葉土には小さな虫が寄ってくる
- 植物を直に植えることができる
小柄なヌマガエルの場合、⑤の利点は高く、カエル飼育の難点ともいえる生き餌の確保に腐葉土は貢献してくれます。(室内飼育の場合、⑤はデメリットになるので虫が湧くようであれば水苔かソイルに切り替えましょう。)
腐葉土を入れることはヌマガエルだけでなく、カエル飼育者にとってもメリットがあるので、床材に迷ったら腐葉土にしましょう。
室内飼育の場合は爬虫類用のヤシガラがおすすめ。
腐葉土のように虫を寄せず、室内飼育で重要な消臭力も高いです。
植物
植物も床材である土と同様に、ヌマガエルにもカエル飼育者にもメリットがあるため必需品です。
設置する植物ですが、身を隠せやすく日陰でも育つヘデラ(ロング)やポトスがおすすめです。
とくにポトスは丈夫で枯れにくいので、植物の入れ替えの手間が省けます。
- カエルが身を隠すことができる
- 土の中の余分な水分を吸収してくれる
- デッドスペースを減らせる
- 浮き輪代わりになり溺死対策になる(水草)
- フン尿を分解し水質を浄化してくれる(水草)
特に①が重要です。
カエルが隠れる理由の1つが天敵から身を隠すこと。
隠れる場所があれば、カエルはその場所に身を潜め、落ち着くようになります。



カエルが落ち着かない場合、身を隠すものがあるか確認してみよう。
ヌマガエルがエサを食べない場合、身を隠す場所がないことが要因の可能性もあります。
隠れるもう1つの理由が直射日光から身を守るため。
カエルは爬虫類と比較して乾燥に非常に弱いので、直射日光を遮る植物の存在は極めて大きいです。
またヌマガエルは樹上性カエルではないですが、丈夫な茎を持った草や花の上に乗ることもあるので、デッドスペースが気になるのであれば、茎が丈夫な草や花を設置するのもアリです。



我が家のヌマガエルはポトスの葉によく乗っています。
水容器
水容器の水は飲み水(皮膚から吸収)や体の乾燥を防ぐために利用されます。
またカエルは変温動物のため、真夏時には体温調整のため水に浸かることが多いです。
ヌマガエルは水を好みますが地表性のカエルのため、足がつかないほどの深さのある水容器を設置する必要はありません。
ただし水に浸かる頻度は高く、縄張り意識も強いことから、弱いヌマガエルも水に浸かれるよう水容器は広いものか、複数設置しましょう。
注意点としてヌマガエルは手足に吸盤がないので、水容器から陸地に簡単に戻れるようにしないと、水容器の中で溺死する可能性があります。(特に幼体)
水草を設置しておけば、水草の上に乗りジャンプして陸地に戻れますし、水の汚れを防ぐ役割も果たしてくれます。
金魚網
金魚網を推しているサイトはあまり見かけませんが、あった方がよいです。
ヌマガエルを飼育していくなかで、定期的に床材の入れ替え作業など飼育ケースの掃除を行うことになり、ヌマガエルを別カゴに移動させる機会が出てきますが、ヌマガエルを手で捕まえて移動させることはおすすめできません。
人の手の体温36度はヌマガエルの許容温度を上回るからです。
ヌマガエルは変温動物ゆえに体温は変動しやすく、ヌマガエルの体温と人の手の体温の差がありすぎると最悪ショック死する可能性があります。
捕まえ方は簡単で金魚網をヌマガエルの前に置き、後ろから背中を押すだけです。
ヌマガエルのエサ


カエル飼育で一番大変なのがエサの調達です。
カエルは一般的に動くエサしか食べないことから、生きエサが必要となります。
ヌマガエルの主なエサは以下の通りです。
- イエコオロギ(SS~Lサイズ)<ペットショップ>
- フタホシコオロギ(SS〜Mサイズ)<ペットショップ>
- 身近にいるコオロギ
- ミルワーム・ミディアムワーム<ペットショップ>
- バッタ・イナゴ
- 小型の甲虫
- ミミズ
- ダンゴムシ・ワラジムシ
- 小型のクモ
- 小型のカエル
我が家のヌマガエルに人気なのは、コオロギ・ミルワーム・バッタです。
抵抗がない方は、海外のゴキブリであるデュビアやレッドローチも選択肢に入れましょう。



コオロギよりゴキブリのほうが耐久力が高いため、エサとしての管理はゴキブリに軍配が上がると思いますが、僕は生理的にゴキブリがムリなので、ゴキブリは使っていません。
意外なエサなのが同じカエル。
カエルは動くものを食べると言われていますが、ヌマガエルはとくに顕著で、大きめのエサ(アマガエル含む)にも臆さず捕食するので、中型以上のヌマガエルであればエサの確保は意外と楽です。



ヌマガエルのエサでびっくりしたのはアマガエルもガッツリ食べること。


エサに迷った際は定番のコオロギを与えましょう。
爬虫類専門ショップに行けば確実に入手できますし、ちょっとした爬虫類を扱っているホームセンターでも、コオロギはサイズごとに販売されています。
コオロギについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
店頭ではヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの2種類が取扱いされていますが、1週間以上保管するのであれば、飼育管理が楽なヨーロッパイエコオロギのほうがおすすめです。
2種の違いについては、こちらの記事を参考にしてください。
購入したコオロギの保管方法については、こちらの記事を参考にしてください。
コオロギはデリケートな昆虫であるため、エサにまで気を使いたくない人には、同じくカエルのエサで定番なミルワームがおすすめです。
エサのサイズですが、頭の50%~90%ぐらいを目安としましょう。
与えるエサの量や頻度に関しては、情報を鵜呑みにせず、実際のカエルの体を様子を見て判断することも重要です。
コオロギに関しては可能であれば、実店舗に出向いて購入することをおすすめします。
ヌマガエル活動期の飼育レイアウトと飼育方法
冬眠や冬眠前後以外の活動期の飼育レイアウトや日々の飼育方法についてお伝えします。
真夏の暑さは、暑さ耐性があるヌマガエルにとっても危険なので、風通しが良く、日陰となる場所に置きましょう。
ヌマガエル活動期の飼育レイアウト(画像あり)


飼育ケース
金魚用の水槽を使用。
葉っぱの上からジャンプされると脱走できるため、BBQ用の金網をフタ代わりにしています。
床材
ホームセンターで購入した腐葉土を利用。
ポトスとヘデラロングを直接植えているため、土の深さは5センチほど。
水容器
100円ショップで購入したタッパを設置。(上記画像は1つですが、実際には右上にもう1つ設置しています)
水の深さは3センチほど。
水の取り換えやすさを重視し、小型のタッパにしてあります。
植物
ポトスとヘデラロングを設置。
設置当初はやや鑑賞しにくいと感じましたが、ヌマガエルは意外にも水容器の中にいることが多かったので、探さなくても観賞できました。
水容器の中にも水草(ホテイソウ)を1株入れてあります。
ヌマガエルは水草があるほうが水に入る頻度が高まるので、可能であれば水草も設置してあげましょう。
ヌマガエル活動期の飼育方法
ヌマガエル飼育で行うべきことは4つあります。
- 霧吹き
- 水の入れ替え
- エサやり
- 土の入れ替え
①霧吹き
霧吹きは1日2回行いましょう。
適度に霧吹きを行うことで一定の湿度を保つことができます。
ただし、湿度が高くなりすぎるのはヌマガエルにとって良くないので、やりすぎは厳禁です。
また霧吹きはヌマガエルに直接かけるのでなく、葉っぱや土にかけてあげましょう。
小振りな雨の日は霧吹きの代わりに外に少し出すのも良いです。
霧吹き時に飼育ケース内も見渡して、生きエサが亡くなっていた場合は、すみやかに撤去しましょう。
②水の入れ替え
水容器の水は可能であれば毎日。最低でも2日に1回は入れ替えしましょう。
理由として、カエルは水分を口からでなく水に浸かって体全体から吸収するため、水容器の水が汚いと弱ってしまうからです。
また水容器の水は流れがないことから細菌も繁殖しやすく、カエルも水の中で尿を出すことから、見た目以上に水は汚れています。
入れ替える水ですが、水道水はカルキが含まれているため、あらかじめペットボトルやバケツに水を入れてカルキ抜きの水をストックしておきましょう。
晴れた夏の日であれば2時間程度、冬の曇りの日でも2日置けば、カルキは十分に抜けます。
③エサやり
エサの頻度は成体なら週1~2回、幼体ならば毎日か2日に1回を目安にしましょう。
エサの量は1日当たり、対象となるヌマガエルの頭のサイズを1匹。週2回の場合、1回につき3~4匹となります。
手間を省くなら1週間に1回、コオロギ+α(ミルワーム・ダンゴムシ・ミミズなどコオロギ以外のエサ)を放つだけでも大丈夫です。
土や植物があることでコオロギも身を隠せるので、すぐに完食されません。
我が家の場合、コオロギを休日に放ち、週中の水曜日ぐらいにミルワーム・ダンゴムシ等の小型の虫・小さなミミズなどを与えています。
他にも蓋のスキマが広い(BBQ用の金網を使用)ことから、腐葉土や植物に寄ってくる羽虫を食べていると思われます。
エサの量の目安ですが、カエルが活発的に動き回っているか、おとなしくしているかで変わりますが、1口サイズのコオロギを1回で3匹ほど与えれば、餓死する可能性はかなり低くなります。
④床材(土)の入れ替え
土やソイルの場合、月に1回は入れ替え作業を行いましょう。
土やソイルはぱっと見ても汚れが分からないですが、フンやエサの残骸などで意外と汚れています。
水苔の場合も、カエルのフン尿を含んでいることから月1回は新品に取り換えておきましょう。
手軽なキッチンペーパーの場合は、フンは見つけたらすぐに撤去しつつ、週1回は取り換えてあげましょう。
キッチンペーパーを床材にしている場合、フン尿の気化によるアンモニア中毒の危険性があるので、こまめな手入れが求められます。
猛暑日の対応
ヌマガエルは他のカエルより暑さに強いですが、35℃を超える日は暑さ対策をしておいた方がよいです。
おすすめの暑さ対策は、凍らせた容器を飼育ケースの中に入れてあげること。
陸地に氷を直に入れる方法もありますが、植物や土がない場合、氷が一気に溶けて飼育ケースが一時的に高湿になる可能性があります。(土や植物があれば、植物の根付近に置いていきましょう。)
水容器に氷を入れる場合は、水が冷えすぎないように氷は小さいサイズにしましょう。
暑い日に水容器の水が冷えすぎると、水に浸かった際に外気との温度差で死に至る可能性があります。
ヌマガエル越冬時の飼育レイアウトと飼育方法
ヌマガエルは土の中で冬眠してしまうので、活動期と比較するとやるべきことは少ないです。
飼育者としての心がけは、無事冬眠できるよう手助けすることと、冬眠中も水分を定期的に与え、冬眠が永眠にならないようにすることです。
ヌマガエル越冬時の飼育レイアウト(画像あり)


画像はヌマガエルが1匹しか写っていませんが計5匹潜んでいます。
床材
土は保湿性の高い腐葉土がおすすめで、土の深さは15センチ。
上記画像の飼育ケースには大型トノサマガエルもいるため、土は深めにしましたが、ヌマガエルだけであれば5~10センチあれば十分です。
水容器
越冬時は浅めの水容器で大丈夫です。
真冬は基本使われないですが、まれに水を求め土から出てくる個体がいるので、カエル1匹分が体半分入れるぐらいの大きさでよいので、水容器は設置しておきましょう。
植物
見栄えもかねて冬に枯れる花を設置。
一度土の中に潜っても暖かい日や雨の日は外に出てくるこがあるため、真冬に突入するまでは身を隠せる植物はあったほうが良いです。
カエルは冬眠中も土の中の水分を体から吸収しているので、土の中の水を植物が吸収してしまわないように、冬に枯れる植物がおすすめです。



カエルは冬眠中も皮膚で地中の水分を吸収するため、冬も元気よく土の中の水分を吸収する植物は危険です。
水苔
ちょっと寒い日に土を掘らなくても気軽に潜れるように設置。
秋から冬にかけて湿度が低くなるので湿度対策の意味も兼ねています。
11月の少し冷える日に、水苔の下に潜るヌマガエルは多かったです。
ヌマガエル越冬時の飼育方法
冬眠はやや飼育のハードルが高くなるうえに、越冬時は土しかない飼育ケースに毎日霧吹きをするだけで虚しく感じるので覚悟しましょう。
①霧吹き
ヌマガエルが土の中に潜るまでは活動期と同様、1日2回。
暑くないから霧吹きを忘れがちになりますが、冬に向かって湿度は低くなるので、湿度を保つ霧吹きは重要です。
ヌマガエルが完全に土に潜ったら1日1回で十分です。
②水の入れ替え
ヌマガエルが冬眠するまでは活動期と同じ。
ただし涼しくなれば水の腐る速度も緩やかになるので、水の入れ替え頻度は真夏よりは減らして良し。
本格的に土に潜ったら、水容器を小さめのものに代えても問題ありません。
注意したいのが本格的に土に潜っても、暖かい日や雨の日には再び出てくることがあること。
実際に我が家のヌマガエルも10月下旬に土の中に潜るも、11月中旬の暖かい雨の日に出てきた事例があります。
また2月に不意に水を求め土から出てきた事例もありますので、水容器の水は冬もキープしておきましょう。
③エサやり
冬眠中はこれまで蓄えたエネルギーを消費するので、冬眠前は活動期以上にガッツリ与えていきましょう。
寒くなっても土に潜らない場合、エサが不十分な可能性もあります。
成体ヌマガエルであれば、秋はイナゴやバッタなど野生のエサの調達が容易です。
注意点としては甲虫系の虫など消化の悪いエサ。
冬眠状態になると消化器官の活動もにぶくなるため、エサが消化できず体内でエサが腐る危険があるので、消化の悪いエサは控えめにしましょう。
心配であればホームセンターや爬虫類ショップのほか、ネットでも手軽に購入できるコオロギを主食にしておきましょう。
④土の入れ替え
冬眠に入ると土の入れ替えはできなくなるので、冬眠前に新鮮な土に入れ替え、土の量も多めに入れておくこと。
また、土が固いと深く潜れないので、水分を含ませて柔らかくしておきましょう。
春にヌマガエルが土から出てきたら、新しい土に入れ替えです。
氷点下日の対応
冬眠中とはいえ土の中が氷点下を下回る場合は注意が必要です。
天気の良い日中は日当たりの良い場所に置き、朝晩はバスタオルで全体で包み、飼育ケースが冷え込まない工夫をしましょう。
ただし野生のヌマガエルは土に潜っているだけで越冬できているので、あまり神経質にならなくてよいです。
暖かい玄関先に入れるとヌマガエルは春が訪れたと勘違いする可能性があるので、気温10度以上の場所への移動は厳禁です。
ヌマガエルに関する5つの疑問と回答


ヌマガエルについて、ヤフー知恵袋などでもよく見かける5つの疑問と、それに対する回答をまとめました。
ヌマガエルの捕獲・飼育前に確認してみてください。
Q1:ヌマガエルとツチガエルの簡単な見分け方
見た目が最も異なるのはお腹です。
ツチガエルはお腹にもイボイボがあるのに対し、ヌマガエルはお腹が真っ白です。
他に黒斑や皮膚の柄や色がありますが、お腹で見分けるのが一番手っ取りばやいです。
具体的な違いが気になる方は下記記事を参考にしてください。
Q2:ヌマガエルに毒はあるのか
ヌマガエルに毒はありません。
毒で有名なのは同じ地表性カエルであるヒキガエルです。
ただしカエルは身体を細菌から守るために若干の毒はあるので、ヌマガエルに触れた後は手を洗いましょう。
Q3:ヌマガエルはどこで捕まえられるのか
ヌマガエルは水がある田んぼに生息しています。
地表性のカエルであることから、陸地がない田んぼの中心より、陸地がある田んぼの周りに生息するカエルなので見つけやすいです。
後ろ足はヒレになっており、逃げる際は水の中に逃げ込むこともありますが、泳ぎは早くないので泳ぎ終わるまで待って、止まったら一気に捕まえましょう。
ジャンプ力は高く陸地での逃げ足は速いので、油断は禁物です。
Q4:ヌマガエルがエサを食べてくれない
まずは飼育ケース内がヌマガエルが落ち着ける環境なのか見直しましょう。
身を隠す場所がなかったり、暴れるカエルがいたりすると、ヌマガエルが落ち着けずエサを食べてくれません。
また湿度が高すぎるとヌマガエルは食べる元気をなくしてしまいます。
個体レベルでも好き嫌いはあるので、コオロギ以外のエサも試していきましょう。
Q5:ヌマガエルをオタマジャクシから育てることは可能か
オタマジャクシは雑食性で生きたエサを必要としないので飼育しやすいですが注意点は2つ。
1つ目は足が生えてきたら陸地に上がれるようにしておかないと溺死すること。
カエル変態直後は手足の使い方も下手のため、土を斜めに入れるのなど、カエルが陸地に上がりやすいように整える必要があります。
2つ目は幼体のヌマガエルは代謝が高いためエサの頻度が高いこと。
ヌマガエル幼体は1㎝ほどと小さいため、エサの確保に苦労します。
エサ確保のおすすめ方法は、床材を栄養が高いカブトムシ用の土にして、飼育ケースに小さな羽虫を集めること。
カブトムシ用の土は腐葉土以上に虫が集まって繁殖してくれるので、エサ確保の手間が省けます。
ヌマガエル飼育まとめ


この記事ではヌマガエルの特徴を踏まえたうえで、ヌマガエルに必要な飼育セットと飼育方法・注意点について解説しました。
- ジャンプ力が強い
- 地表性のカエルだが水辺を好む
- 大きさは29~54mmでメスのほうが大きい
- ツチガエルと違いお腹は真っ白
- 泳ぐことはできるがスピードは普通
- 手足に吸盤はないので壁は登れない
- 食欲旺盛で自分の体の半分ぐらいの獲物も積極的に食べにいく
- 鳴き声はアマガエルより小さい
- おたまじゃくしは40度の高温の水でも耐えられる
- 広めの飼育ケース
- 床材(腐葉土がおすすめ)
- 植物(ポトス、ヘデラロングがおすすめ)
- 5㎝ほどの深さのある水容器
- 金魚網
- コオロギ
- ミルワーム・ミディアムワーム
- 甲虫
- ミミズ
- 小型のカエル
- 羽虫
- クモ
- 海外のゴキブリ
- 霧吹きは1日2回
- エサは週1~2回。(幼体ヌマガエルは毎日)
- 水の入れ替えは毎日か2日に1回
- 床材は土やソイルでも月1回は入れ替え
ヌマガエルは田んぼを代表するカエルですが、ツチガエルと並んで『地味なカエル』とされているため、アマガエルやトノサマガエルと比較すると人気は少なく情報量も少ないカエルです。
しかしながら、ヌマガエルは捕まえやすく丈夫なので、カエル初飼育におすすめです。
また、エサをガッツリ食べたり、壁に真っ白なお腹をくっつけている仕草に癒される場面もあります。
飼育環境が整っていない状態で捕まえてしまうと、ヌマガエルがストレスを感じて弱ってしまうため、飼育環境を整えてからヌマガエルの飼育を開始しましょう。
当サイトでは自身の失敗を含む飼育体験談を元に、これからカエルを飼育する方に役立つ情報を発信していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。